昨今、木を生活や街づくりに取り入れる「都市の木造化」が注目されていますが、その理由はなんでしょうか?
木は二酸化炭素(以下CO2)を吸収し成長しています。光のエネルギーと水から木を構成するセルロースをつくり、副産物として酸素(O2)を放出しています。木が育つには60〜100年といったとても長い時間がかかりますが、その過程でゆっくりと大気中のCO2を木材として固体化し貯蔵してくれています。イメージとして、木はCO2の天然の冷凍庫という捉え方もできるかも知れません。
地球温暖化問題はCO2が気体のまま漂っていることが主な原因です。ですから木材を有効利用して、固体化したCO2をできるだけ固体のまま有効活用することが大切なのです。例えば、現存する世界最古の木造建造物とされる法隆寺は築1,350年を超えていますから、1,000年単位でCO2を固体で貯蔵していることになります。CO2を固体化しておくことが重要なので、家具でも玩具でもなんでもよいのです。ですが、建築は物理的にも産業的にもボリュームが非常に大きい。そのため、建築・建設分野における木材の有効活用が地球温暖化対策として期待されているのです。
森林のサイクル・環境編
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