JAS構造材の特徴とメリットは何ですか?
JAS認証工場 協和木材株式会社(福島県)
天然資源である木材は生きている樹木からつくられるため、工業製品のようにまったく均一のものはありません。一つひとつの木材が、唯一無二であることが木材の大きな魅力の一つです。しかし、建築物をつくるとき、特に構造材においては長さや太さ、強度などがまちまちでは困ります。そこで基準を設け、それに従って検査をし、等級付けをすることで、天然素材である木材を誰もが使いやすいようにしています。
JAS製材は、その木材の生産者や販売者、スギ、ヒノキなどの樹種名、目視または機械等級区分による等級、寸法、含水率等の表記が義務付けられています。合板や集成材では、接着性能等も表示されます。
また、JAS構造材は、国土交通省の告示で建築物の構造計算に使用される基準強度が、無等級材よりおおむね高く定められています。製材においては、目視等級区分、機械等級区分のそれぞれについて、樹種と等級に応じて圧縮、引張、曲げなどの基準強度が細かく定められているのが特長です。枠組壁工法構造用製材及び枠組壁工法構造用たて継ぎ材や、枠組壁工法構造用製材等規格に適合するMSR枠組材及びMSRたて継ぎ材においても、等級別に数値が告示されています。
2019年6月の改正建築基準法により木造準耐火建築物の可能性が一気に広がりました。2025年施行の建築基準法では、ある規模以上の中大規模の木造建築を建てる場合には木造でも構造計算が必要となります。JAS構造材は基準強度が樹種や等級ごとに合理的に定められているので、許容応力度計算をする上で大きなメリットがあります。
参考:国土交通省 令和4年改正 建築基準法について
※出典:国土交通省 ○木材の基準強度Fc、Ft、Fb及びFsを定める件
※詳細・最新情報については国土交通省 建築基準法についてご参照ください。
JAS製材は、その木材の生産者や販売者、スギ、ヒノキなどの樹種名、目視または機械等級区分による等級、寸法、含水率等の表記が義務付けられています。合板や集成材では、接着性能等も表示されます。
また、JAS構造材は、国土交通省の告示で建築物の構造計算に使用される基準強度が、無等級材よりおおむね高く定められています。製材においては、目視等級区分、機械等級区分のそれぞれについて、樹種と等級に応じて圧縮、引張、曲げなどの基準強度が細かく定められているのが特長です。枠組壁工法構造用製材及び枠組壁工法構造用たて継ぎ材や、枠組壁工法構造用製材等規格に適合するMSR枠組材及びMSRたて継ぎ材においても、等級別に数値が告示されています。
2019年6月の改正建築基準法により木造準耐火建築物の可能性が一気に広がりました。2025年施行の建築基準法では、ある規模以上の中大規模の木造建築を建てる場合には木造でも構造計算が必要となります。JAS構造材は基準強度が樹種や等級ごとに合理的に定められているので、許容応力度計算をする上で大きなメリットがあります。
参考:国土交通省 令和4年改正 建築基準法について
品質・規格の概要(構造用製材の場合)
樹種 | 樹種名を表示 | スギ、ヒノキ、カラマツなど木の種類を表示 |
---|---|---|
構造材の種類 | 目視等級区分構造用 製材の用途による区分 |
甲(甲Ⅰ又は甲Ⅱ):梁(はり)桁(けた)などの横に使用されるもの 乙:柱など縦に使用されるもの |
等級 | 目視等級区分 | 目視で節、割れ、曲がりなどを評価して1級、2級、3級の3区分に表示(★★★、★★、★) (注)樹種、区分(甲又は乙)、等級ごとに国土交通省の告示で基準強度を規定(構造計算に使われる強度) |
機械等級区分 | 機械等級区分装置曲げヤング係数を測定し、 等級区分(E50~150)を表示 (注)等級区分、樹種ごとに、国土交通省の告示で基準強度を規定(構造計算に使われる強度) |
|
寸法 | 木材の木口の短辺、長辺、材長 | 木材の木口の短辺、長辺及び、材長の順に製品寸法を表示 |
乾燥 | 木材の乾燥度合(含水率) | 含水率計で計測(格付けの場合は全乾燥試験)して SD:かんな掛けした乾燥材 D:鋸挽きしたままの乾燥材(表面が未仕上) 15、20、25という含水率を表示 |
木材の基準強度
木材は、国土交通省の通達により樹種、等級ごとに許容応力度が設定されています。(平成12年5月31日建設省告示第1452号)※出典:国土交通省 ○木材の基準強度Fc、Ft、Fb及びFsを定める件
JAS構造用製材 目視等級・1級区分
樹種 | 区分 | 基準強度(N/mm²) | |||
---|---|---|---|---|---|
Fc(圧縮) | Ft(引張り) | Fb(曲げ) | Fs(せん断) | ||
アカマツ | 甲種構造材 | 27.0 | 20.4 | 33.6 | 2.4 |
乙種構造材 | 27.0 | 16.2 | 26.4 | ||
ベイマツ | 甲種構造材 | 27.0 | 20.4 | 34.2 | 2.4 |
乙種構造材 | 27.0 | 16.2 | 27.0 | ||
カラマツ | 甲種構造材 | 23.4 | 18.0 | 29.4 | 2.1 |
乙種構造材 | 23.4 | 14.4 | 23.4 | ||
ダフリカ カラマツ |
甲種構造材 | 28.8 | 21.6 | 36 | 2.1 |
乙種構造材 | 28.8 | 17.4 | 28.8 | ||
ヒバ | 甲種構造材 | 28.2 | 21 | 34.8 | 2.1 |
乙種構造材 | 28.2 | 16.8 | 28.2 | ||
ヒノキ | 甲種構造材 | 30.6 | 22.8 | 38.4 | 2.1 |
乙種構造材 | 30.6 | 18.6 | 30.6 | ||
ベイツガ | 甲種構造材 | 21 | 15.6 | 26.4 | 2.1 |
乙種構造材 | 21 | 12.6 | 21 | ||
エゾマツ 及び トドマツ |
甲種構造材 | 27 | 20.4 | 34.2 | 1.8 |
乙種構造材 | 27 | 16.2 | 27.0 | ||
スギ | 甲種構造材 | 21.6 | 16.2 | 27.0 | 1.8 |
乙種構造材 | 21.6 | 13.2 | 21.6 |
無等級材
樹種 | 基準強度 | |||
---|---|---|---|---|
Fc(圧縮) | Ft(引張り) | Fb(曲げ) | Fs(せん断) | |
アカマツ クロマツ ベイマツ |
22.2 | 17.7 | 28.2 | 2.4 |
カラマツ ヒバ ヒノキ ベイヒ ベイヒバ |
20.7 | 16.2 | 26.7 | 2.1 |
ツガ ベイツガ |
19.2 | 14.7 | 25.2 | 2.1 |
モミ、エゾマツ トドマツ、ベニマツ スギ、ベイスギ スプルース |
17.7 | 13.5 | 22.2 | 1.8 |