はじめてのウッドフェンス&ウッドデッキのメンテナンス大規模な庭のリニューアルから1年半が過ぎた頃、大きなウッドデッキを拭くモップの進みが鈍くなったことでヒノキの床の経年変化に気づいた川島様。2年後に行ったウッドデッキのお手入れ、メンテナンスについて、造園家の矢藤さんにお話をうかがいつつ、どのような工程で実施をしたかご紹介します。
暗かった庭が明るく広い集いの庭に アパートが庭を塞いで日照を遮り、樹木も多く狭い庭だった 川島様(仮名)が大規模な庭のリニューアルをしたのは2年前のこと。以前は母屋の前に古いアパートが立ちふさがり、木々が鬱蒼として暗いのが悩みの種でした。家族が訪ねてきても孫たちが庭で遊ぶこともなく、宝の持ち腐れに。そこでアパートの解体撤去を手始めに、茂りすぎた庭木を取り去り、広くなった場所は大きなウッドデッキと芝生で覆いました。同時にその広い空間を囲む塀を古くて崩れ落ちそうだったブロック塀からウッドフェンスへと変えました。 デッキ材には素足で歩いても柔らかく気持ちがいい国産のヒノキ材を採用。すると、孫たちが室内外の区別なく走り回って遊べるようになったとか。タープを張って寝転んだり、バーベキューをしたり、庭の楽しみ方が多様になっのは大きな変化でした。 「娘や孫たちが『いいね、いいね』と言って喜んでくれて。お友達を連れてきたりして楽しんでいますよ」と川島様。 広いデッキは外にもう一つのリビングができたよう
広いデッキが心のゆとりももたらす ゆったりと洗濯物を干せるウッドデッキ 普段の暮らしでも、日当たりの良いウッドデッキはなくてはならないものに。 「コロナ禍で外に出られない時期は、朝、運動代わりにモップがけをしていました。デッキが広いから、いい汗をかけましたよ。デッキに洗濯物を干すとよく乾いて気持ちがいいので、洗濯が好きになって。以前と違ってカーテンみたいな大物を洗うのも苦にならないんです。洗濯物を干し終わったらデッキの縁に腰掛けて、ゆっくり庭を見回します。そうやって草花の状態をチェックするのが、朝の日課。庭が広くなって、心にもゆとりができたようです」 塗装をかけ直したウッドフェンスは草花の色を引き立てる
モップの引っかかりがメンテナンスのきっかけに 完成から1年半ころから毛羽立ちや色ムラが気になるように ところが完成から1年半ほど経った頃、デッキのモップがけが進まなくなってきたことに気づいた川島様。経年によって表面にささくれ立ってきたところがあり、モップが引っかかっていたためでした。床面の色も、当初の白木の色からくすんだグレーへとゆっくり変化。それを見た川島様は、「この先どうなっていくんだろう?」と不安を覚えたのだとか。 孫たちが裸足で歩くデッキの床はオイル塗装のみ。そのためメンテナンスが必要なことは知っていましたが、具体的なことがわかりませんでした。そこで、施工をしてくれた造園家の矢藤さんに相談することに。矢藤さんは「もうすぐ2年になるので、そろそろ洗浄と再塗装をしてもいいですね」と応じました。
再塗装は表面をきれいに洗浄してから ウッドデッキの床板は、高圧洗浄をしてから自然素材のオイルを再塗装します。ウッドフェンスは薬剤を注入したスギ材で、まだ塗装やメンテナンスは不要でしたが、色あせを防ぐために塗り直すことにしました。 「フェンスはそのまま上塗りが可能ですが、デッキ床は塗る前に洗浄する必要があります。表面にこびりついたホコリや水垢のようなものが、腐食の原因になる菌の温床になるから。それをきれいに除去することで長持ちさせます。川島さんのデッキはとても広いので、高圧洗浄機が適していますが、普通サイズのデッキならデッキブラシでこすり洗いでもだいじょうぶです」(矢藤さん) 施工当日は秋晴れで湿度も低かったため洗浄後の乾きが早く、一日で塗装まで終えることができましたが、湿度の高い季節や気温が低く乾きにくい冬などは、初日に洗浄、翌日に塗装と二日間かけることもあるそうです。 毛羽立った部分はヤスリがけで滑らかに 毛羽立った部分はヤスリをかけて滑らかに整える 洗浄後に表面が乾いたら、オイルを塗る前に毛羽立った部分にヤスリをかけて滑らかにします。使用頻度や環境、板の性質により劣化の度合いには差が出るのだとか。 「ハードウッドなら20ミリのところ、ここでは45ミリの厚いヒノキ板のK4材を使っているので、10年はもつと思いますよ」と矢藤さん。「私は、外材のハードウッドでも国産の針葉樹でも、だいたい10年で見直しが必要だと考えています。だったら柔らかくて素足が気持ち良い国産材をおすすめしたいんです。表面が傷んだら、こうして手をかければ再生できるのが無垢材のいいところですし。さらに傷んできたところがあれば、一部だけを新しい板に交換することで全体の寿命を伸ばすことも可能ですよ」 安全なオイルで3歳の孫も塗装に挑戦 安全に配慮された塗料を使えば、安心してお手伝いさせることができる フェンスに2年前と同じ茶系の塗料を上塗りすると、たちまち見た目がリフレッシュしました。デッキ床は、当初はクリア塗装でしたが、今回は自然な色の変化に合わせたグレーのオイルを塗ることに。 天然素材が原料の安全なオイルなので、3歳のお孫さんも床の塗装に挑戦!おばあちゃんがあたたかい眼差しで見守る中でがんばり、少し得意げな表情に。「都会のマンション暮らしなので、実家では思い切り外で遊ばせたい」と、庭のリニューアルを後押しした長女。「子どもには、土や緑に触れ合う時間をたくさん持たせたかった。ウッドデッキが外と内をつなぐ役目を担ってくれています。無垢の木の心地よさを全身で味わい、変化していくものを手入れして使う、ものを大切にする心も育てたい。」 ウッドデッキのメンテナンスを家族参加で行い、木育ともいえる貴重な体験につながりました。 今後のウッドデッキ・ウッドフェンスのメンテナンススケジュール 川島様が今後のメンテナンスについて矢藤さんに確認したところ、次のようなアドバイスが。 「ウッドデッキ床をできるだけ長持ちさせるために、年に一度くらい、高圧洗浄かデッキブラシでの水洗いをおすすめします。オイルの塗り直しは、塗料メーカーが推奨している3年に一度くらいでいいでしょう。 ウッドフェンスに関しては、あらかじめ支柱や笠木を工夫することで、雨や土からの腐食の問題は回避できています。ですので、色ムラが目立ってきたら塗る、というくらいでいいのではないでしょうか」 グレーのオイルを選んだことで、どんな仕上がりになるか心配だったようですが、「前より地味な印象になるのかなと思いきや、どちらかというと白っぽく明るいきれいな色で、とても好み」と喜びの声が。今回はオスモの「バサルトグレー」を採用しましたが、木目がきれいに見えるように厚塗りを避けつつ、2回塗り重ねました。 無垢材としての自然な変化を経ながらも、快適さを取り戻したデッキ空間。川島様の胸には、家族が協力して手入れができた喜びと、今後もいい状態を保つことができる安堵感も。「初めてのウッドデッキだったので、どんな風に変わっていって、どういう補修をしたらよいか不安でしたが、年に1度を目安にしっかり洗浄をするということで、すっきりするし、長持ちをさせることができるとのことで安心しました。家族が集う大切な空間なので、お手入れも楽しみにやりますね。また来年ね!」 株式会社 矢藤園(東京都世田谷区) https://yatoen.com/ 防腐処理等の種類・塗装・工法などについてこちらのページでご紹介しています。 Story 木の街づくりTALK 「都市(まち)の木造化推進法の目的と今後の展開」(前編) 木の街づくりTALK 「都市(まち)の木造化推進法の目的と今後の展開」(後編) 360° 加圧注入処理と保護塗料に熱圧加工処理を加えて 過酷な環境下での外構木質化促進の未来を占う実証実験 生け垣からウッドフェンスへ。ウッドタウンならではの悩みを解消!
毛羽立った部分はヤスリがけで滑らかに 毛羽立った部分はヤスリをかけて滑らかに整える 洗浄後に表面が乾いたら、オイルを塗る前に毛羽立った部分にヤスリをかけて滑らかにします。使用頻度や環境、板の性質により劣化の度合いには差が出るのだとか。 「ハードウッドなら20ミリのところ、ここでは45ミリの厚いヒノキ板のK4材を使っているので、10年はもつと思いますよ」と矢藤さん。「私は、外材のハードウッドでも国産の針葉樹でも、だいたい10年で見直しが必要だと考えています。だったら柔らかくて素足が気持ち良い国産材をおすすめしたいんです。表面が傷んだら、こうして手をかければ再生できるのが無垢材のいいところですし。さらに傷んできたところがあれば、一部だけを新しい板に交換することで全体の寿命を伸ばすことも可能ですよ」 安全なオイルで3歳の孫も塗装に挑戦 安全に配慮された塗料を使えば、安心してお手伝いさせることができる フェンスに2年前と同じ茶系の塗料を上塗りすると、たちまち見た目がリフレッシュしました。デッキ床は、当初はクリア塗装でしたが、今回は自然な色の変化に合わせたグレーのオイルを塗ることに。 天然素材が原料の安全なオイルなので、3歳のお孫さんも床の塗装に挑戦!おばあちゃんがあたたかい眼差しで見守る中でがんばり、少し得意げな表情に。「都会のマンション暮らしなので、実家では思い切り外で遊ばせたい」と、庭のリニューアルを後押しした長女。「子どもには、土や緑に触れ合う時間をたくさん持たせたかった。ウッドデッキが外と内をつなぐ役目を担ってくれています。無垢の木の心地よさを全身で味わい、変化していくものを手入れして使う、ものを大切にする心も育てたい。」 ウッドデッキのメンテナンスを家族参加で行い、木育ともいえる貴重な体験につながりました。 今後のウッドデッキ・ウッドフェンスのメンテナンススケジュール 川島様が今後のメンテナンスについて矢藤さんに確認したところ、次のようなアドバイスが。 「ウッドデッキ床をできるだけ長持ちさせるために、年に一度くらい、高圧洗浄かデッキブラシでの水洗いをおすすめします。オイルの塗り直しは、塗料メーカーが推奨している3年に一度くらいでいいでしょう。 ウッドフェンスに関しては、あらかじめ支柱や笠木を工夫することで、雨や土からの腐食の問題は回避できています。ですので、色ムラが目立ってきたら塗る、というくらいでいいのではないでしょうか」 グレーのオイルを選んだことで、どんな仕上がりになるか心配だったようですが、「前より地味な印象になるのかなと思いきや、どちらかというと白っぽく明るいきれいな色で、とても好み」と喜びの声が。今回はオスモの「バサルトグレー」を採用しましたが、木目がきれいに見えるように厚塗りを避けつつ、2回塗り重ねました。 無垢材としての自然な変化を経ながらも、快適さを取り戻したデッキ空間。川島様の胸には、家族が協力して手入れができた喜びと、今後もいい状態を保つことができる安堵感も。「初めてのウッドデッキだったので、どんな風に変わっていって、どういう補修をしたらよいか不安でしたが、年に1度を目安にしっかり洗浄をするということで、すっきりするし、長持ちをさせることができるとのことで安心しました。家族が集う大切な空間なので、お手入れも楽しみにやりますね。また来年ね!」 株式会社 矢藤園(東京都世田谷区) https://yatoen.com/ 防腐処理等の種類・塗装・工法などについてこちらのページでご紹介しています。 Story 木の街づくりTALK 「都市(まち)の木造化推進法の目的と今後の展開」(前編) 木の街づくりTALK 「都市(まち)の木造化推進法の目的と今後の展開」(後編) 360° 加圧注入処理と保護塗料に熱圧加工処理を加えて 過酷な環境下での外構木質化促進の未来を占う実証実験 生け垣からウッドフェンスへ。ウッドタウンならではの悩みを解消!
安全なオイルで3歳の孫も塗装に挑戦 安全に配慮された塗料を使えば、安心してお手伝いさせることができる フェンスに2年前と同じ茶系の塗料を上塗りすると、たちまち見た目がリフレッシュしました。デッキ床は、当初はクリア塗装でしたが、今回は自然な色の変化に合わせたグレーのオイルを塗ることに。 天然素材が原料の安全なオイルなので、3歳のお孫さんも床の塗装に挑戦!おばあちゃんがあたたかい眼差しで見守る中でがんばり、少し得意げな表情に。「都会のマンション暮らしなので、実家では思い切り外で遊ばせたい」と、庭のリニューアルを後押しした長女。「子どもには、土や緑に触れ合う時間をたくさん持たせたかった。ウッドデッキが外と内をつなぐ役目を担ってくれています。無垢の木の心地よさを全身で味わい、変化していくものを手入れして使う、ものを大切にする心も育てたい。」 ウッドデッキのメンテナンスを家族参加で行い、木育ともいえる貴重な体験につながりました。
今後のウッドデッキ・ウッドフェンスのメンテナンススケジュール 川島様が今後のメンテナンスについて矢藤さんに確認したところ、次のようなアドバイスが。 「ウッドデッキ床をできるだけ長持ちさせるために、年に一度くらい、高圧洗浄かデッキブラシでの水洗いをおすすめします。オイルの塗り直しは、塗料メーカーが推奨している3年に一度くらいでいいでしょう。 ウッドフェンスに関しては、あらかじめ支柱や笠木を工夫することで、雨や土からの腐食の問題は回避できています。ですので、色ムラが目立ってきたら塗る、というくらいでいいのではないでしょうか」 グレーのオイルを選んだことで、どんな仕上がりになるか心配だったようですが、「前より地味な印象になるのかなと思いきや、どちらかというと白っぽく明るいきれいな色で、とても好み」と喜びの声が。今回はオスモの「バサルトグレー」を採用しましたが、木目がきれいに見えるように厚塗りを避けつつ、2回塗り重ねました。 無垢材としての自然な変化を経ながらも、快適さを取り戻したデッキ空間。川島様の胸には、家族が協力して手入れができた喜びと、今後もいい状態を保つことができる安堵感も。「初めてのウッドデッキだったので、どんな風に変わっていって、どういう補修をしたらよいか不安でしたが、年に1度を目安にしっかり洗浄をするということで、すっきりするし、長持ちをさせることができるとのことで安心しました。家族が集う大切な空間なので、お手入れも楽しみにやりますね。また来年ね!」 株式会社 矢藤園(東京都世田谷区) https://yatoen.com/ 防腐処理等の種類・塗装・工法などについてこちらのページでご紹介しています。 Story 木の街づくりTALK 「都市(まち)の木造化推進法の目的と今後の展開」(前編) 木の街づくりTALK 「都市(まち)の木造化推進法の目的と今後の展開」(後編) 360° 加圧注入処理と保護塗料に熱圧加工処理を加えて 過酷な環境下での外構木質化促進の未来を占う実証実験 生け垣からウッドフェンスへ。ウッドタウンならではの悩みを解消!
グレーのオイルを選んだことで、どんな仕上がりになるか心配だったようですが、「前より地味な印象になるのかなと思いきや、どちらかというと白っぽく明るいきれいな色で、とても好み」と喜びの声が。今回はオスモの「バサルトグレー」を採用しましたが、木目がきれいに見えるように厚塗りを避けつつ、2回塗り重ねました。 無垢材としての自然な変化を経ながらも、快適さを取り戻したデッキ空間。川島様の胸には、家族が協力して手入れができた喜びと、今後もいい状態を保つことができる安堵感も。「初めてのウッドデッキだったので、どんな風に変わっていって、どういう補修をしたらよいか不安でしたが、年に1度を目安にしっかり洗浄をするということで、すっきりするし、長持ちをさせることができるとのことで安心しました。家族が集う大切な空間なので、お手入れも楽しみにやりますね。また来年ね!」
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