地域を、暮らしを彩る「木塀」のある住まい

時代とともに変貌を遂げる街の中にあって、ぬくもりたっぷりの「木塀」のある家が、地域の人々の心を和ませる、やさしい風景をつくり出している。
住まいの設計
2019年8月号
東京都三鷹市の真新しい家々が軒を連ねる住宅街に建つSさん邸。設計:岡庭建設株式会社

地域にぬくもりをもたらす「木塀」のある半平屋の家

木のぬくもり溢れる空間が訪れる人をやさしく迎えてくれる、開放的な玄関アプローチ
ひとり暮らしをされていたお母様との同居を機に、家を建て替えることにしたSさん。別の地域での新しい暮らしも考えられたが、最終的には住み慣れた土地に新しい家を建てることに。そこには「時代とともに姿を変えてしまった街並みに、ぬくもりをもたらすような家を建てたい」「慣れ親しんだ地域に恩返しがしたい」という思いがあったからだという。

そんな地域にも目を向けてつくられたSさん邸。最初に目に飛び込んでくるのが趣のある木の塀だ。 設計・施工を担当した岡庭建設(東京・西東京市)の施工例を見学して回る中で、ごく自然に用いられていた木塀。木ならではのぬくもり漂う風合い・質感が最大の魅力だ。

そこでSさん邸では、最初のプラン作成段階から外構についても十分検討。その結果、半平屋の高さを抑えたたたずまいが、味わいのある木塀(国産杉材を使用)とみごとに調和。真新しい家が建ち並ぶ住宅街で、ホッとできる風景を創出している。
半平屋の上に置かれたベランダに立つSさん夫妻とお母様

外構も計画段階から十分に検討。「木」は塀の素材としてもおすすめ!

室内も木をふんだんに使用。「建物の外と内とがつながっているのが、好きな暮らし方」(奥様)。木のぬくもりに包まれた心地よい空間が広がっている
植物との相性のよさも木塀の魅力だ。「朝起きて庭に出ると、その日の天候や季節の移ろい、草木の成長が身近に感じられます」と語る奥様。木塀を背景にした緑が、暮らしを豊かに彩ってくれる。

地震の際にブロック塀などと異なり、倒壊して道路を塞ぐような心配がないのも木塀のいいところだ。

また、国産の木を積極的に使用することは、結果的に国内の健全な森林保全につながる。木を伐採して、また植える…。森林を循環させることが、洪水や土砂崩れの発生も抑えてくれる。

年月を重ねるにつれ、味わいが増していくのも木塀ならではの楽しみ。最近は、メンテンスがしやすいように加工が施された木材も増えている。

新築の際に、リフォームの際にぜひ木塀のある住まいづくりを検討してみてはどうだろう。

設計・施工会社に「木塀」の魅力について聞いてみました!

家づくりでは、とかく外構部は後回しになりがちです。しかし、外構も含めて大切な住まいです。そこで当社では、これから家を建てる人を対象にした「家づくり学校」などを通じて、美しい住まいを実現してもらうために、木塀などについても最初のプラン作成段階からしっかり検討することを提案しています。

また、木の塀はできれば3年に1度程度の間隔で塗装をするなど、定期的なメンテナンスが望ましいです。場合によっては傷んだ板だけを張り替えるといったような作業も出てきます。そうしたお手入れの手間を楽しまれているお客様も少なくありません。手を加えただけ愛着が増していくのも木の家づくりならではの魅力なのです。
 
岡庭建設株式会社 越中美湖さん

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