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子どもや愛犬が安全に遊べる! ウッドフェンスに囲まれた公園のような庭
静岡県浜松市で木をふんだんに使った家を作っている株式会社オオタ建築の社長・太田健介氏。自宅の庭を子どもたちや愛犬が安全に遊べる環境にしたいと、スギの赤身材を使ったウッドフェンスをつくりました。
古くなった庭のフェンスをリフォーム
家のまわりもウッドフェンスで囲いました
シンプルで落ち着きのある住まいの外観にウッドフェンスが似合う
建築会社の社長であり、現役の大工でもある太田健介氏。このウッドフェンスは、5年ほど前に太田氏が自ら建てた自宅と愛犬のためのドッグランを囲むものです。
自宅ができたときは犬を飼っておらず、子どもたちが安全に遊べる公園のようにしたいと考え木のフェンスを設置しました。しかし、あくまで仮設的なもの。数年経つと傷みが目立ち始め、近頃は支柱もグラグラしてきたそうです。
そこでリフォームをするとともに、建物の周囲にも新たなウッドフェンスを設置することになりました。
耐久性を考えて木材を選び、
二度塗りで十年以上もたせる
コンクリートの基礎にアルミの支柱を立て、板を取り付けた
以前のフェンスは急場しのぎだったので、基礎も設けず地面に直接木の支柱を建てました。しかし、地面からの湿気が木を傷ませてしまいました。
そこで、今回は長持ちさせるためにしっかりとした建て方をすることに。長持ちさせるためには、地面から木材をできるだけ離すことが重要なため、コンクリートでつくった基礎にアルミの支柱を立て、支柱に木の板を取り付ける方法を選びました。
そして、板にはスギの赤身材を選びました。太田氏はその理由を次のように話します。「スギの木は、中心部分が赤く周辺部分が白いのが一般的で、赤身は強度も高く腐朽しにくいので、外構に向いているんです」。
仕上げには防腐効果のある塗料「キシラデコール」を二度塗りし、さらに耐久性を高めました。
太田氏いわく、長年の施工経験から「数年ごとに上塗りすれば10年以上は持つだろう」とのこと。
無垢の木を使った本格的な住まいと
外構の一体感に配慮
ブランコや鉄棒も数年前に太田氏が自作したもの
今回のリフォームでは、3年前に飼いはじめたコーギー犬の「ソラ」が道路に飛び出さないように、フェンスを以前より少し高くし、板の隙間を小さくしています。これで安心して一日中遊ばせることができます。
ソラは広い庭を自分の城のように思い、自由に過ごしている様子。ご近所の方から「良い塀ができてワンちゃんは幸せだね」と声をかけられることもあるそう。
温かみのある木のフェンスは住まいの外観にもよく馴染み、一体感が生まれています。
「木の家には、やっぱりウッドフェンスが似合いますよね」という太田氏は、13年ほど大工の経験を積んだのち、自ら建築会社を起こしました。
工務店での業務をしながら、現在も大工として施工に携わっています。自宅はプレカット部材を一切使わず、すべて手刻みで組み上げた渾身の作品。太い無垢の柱・梁や板張りの壁・天井に囲まれ、どっしりとした落ち着きがあります。
木をたっぷり見せるインテリアと
ウッドフェンスの相性はバツグン!!
太い無垢材や板、珪藻土で構成された太田氏の住まい
オオタ建築の家づくりは、国産の無垢材をふんだんに取り入れている点が特徴です。なぜそのような家づくりをしているのか、聞いてみました。
「会社を起こす前、大工としていろんな現場で働く中で、新建材を加工するときに出るニオイが苦手で……現場によっては気分が悪くなってしまうこともありました。でも無垢の木ならどんなに長時間加工していても、体に負担を感じません。そのような経験もあり、新建材をできるだけ使わずに作る木の家が好きになりました」。
会社のホームページでは、木のメリット・デメリットがしっかりと説明されています。その上で納得していただいたお客さまとともに、各地域の気候風土に合った質の高い家づくりを続けてきました。
お話をうかがったリビングの中心には薪ストーブがあり、板張りの天井に覆われた大空間を暖めています。窓から見える庭の景色は木のフェンスが牧歌的で、室内の素朴なインテリアとも違和感なくつながっています。
温もりあるウッドフェンスは、
街並みのイメージアップにもつながる
田園風景の中に溶け込むウッドフェンス。牧歌的な雰囲気づくりにも貢献
お客様との打ち合わせから基本設計、職人の手配や現場管理まで、一人でこなすマルチな太田氏は、外構工事も家づくりの一環として請け負っています。
建物との一体感を出すにはやはりウッドフェンスがオススメとのこと。
「アルミのフェンスにも良いところはありますが、例えばボールが当たってしまうと曲がってしまうという弱点もある。その点、木の板は丈夫なので変形しません。それに、やはり見た目の柔らかさや暖かさは、他の素材では得ることができません」。
家とのバランスだけでなく、木のフェンスが街の景観に牧歌的な雰囲気をもたらしていることも重要なポイント。
「これからも木の家と木の外構の良さを地道に発信して、良いものを提供していきたい」と太田氏。木に対する愛情と、ものづくりへの熱い思いが伝わってきました。