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- 高知の山間に現れた、自然風景に溶け込む広大なウッドデッキ
高知の山間に現れた、自然風景に溶け込む広大なウッドデッキ
高知県四万十市江ノ村は山に囲まれた自然豊かな地域です。高知龍馬空港から車で3時間。山田邸は鳥のさえずりが聞こえる静かな山間部にあり、昨年ウッドデッキが完成しました。施主の山田様と設計・施工を行なった有機的建築村上・代表村上直樹氏にウッドデッキ工事についてお話を伺いました。
山奥の新築住居からせり出した大舞台
高知龍馬空港から車で3時間。静かな山あいに山田邸はあります。山田様は自然環境豊かなこの地域が大変気に入り、家を建てました。家を建てる際に木造建築に強い建築会社を探していた所、伝統工法を行う有機的建築村上に出会ったそうです。
「村上さんとの出会いは大きかったですね。工場に伺って伝統工法の話を聞かせて頂きました。自分が探していた建築会社はここだと確信しました。家の施工に加えてウッドデッキ工事もお願いすることにしました」。
本物の木を使ってウッドデッキをつくりたいと考えた山田様ですが木材の腐食に対する不安は全くなかったのでしょうか?
「もちろん腐食については考えました。村上さんから防腐処理した木材を使うことでデッキを長持ちさせることができると伺って、木材でつくる事を決心しました。後々、木材が劣化しても自分で直せる所も決め手となりましたね」。
施主の山田様
木造建築にマッチしたデッキを伝統工法の職人がつくる
村上氏は山田邸の建設をきっかけにウッドデッキの施工も行いました。山田様はウッドデッキを以前から計画されていたそうですが、その計画について村上氏に伺いました。
「私は手刻みと呼ばれる伝統工法で木の性質を生かした建築を得意としています。ウッドデッキ工事も住居同様に高知県産材を使用し、強固でしっかりしたものに仕上げました。広い土地に縦約6m x横約15mの舞台のようなウッドデッキはなかなか見られない大きさです。木材使用量はスギが1.2217 m3、ヒノキが3.6651 m3と膨大な量になりました」。
今回のウッドデッキ施工で一番大変だった所を伺うと、「薬剤を注入した材が想定より膨れたため、設計した図面と実際の材のサイズが異なったので現場で再度割付をし直して施工した所ですね」。
有機的建築村上・代表村上直樹氏
地元のスギとヒノキでつくった堅牢なウッドデッキ
高知県四万十市はスギ・ヒノキの名産地であり、特に四万十ヒノキは全国的にも有名です。この材を使ってウッドデッキを制作した村上氏に、四万十の木材の特徴と使用材の防腐処理について伺いました。
「四万十ヒノキは、材の芯が鮮やかなピンク色をしていて香りもいいですね。油分を多く含んでいるので、撥水性や耐久性が高い特徴があります。スギも真っ直ぐで構造材に適しています。
防腐処理については、土台・束に使用したスギ材はタナリスCY注入材で性能区分はK4。幕板・床板はヒノキ材でモクボーAAC注入材を採用しました。こちらもK4です。
材に関してのこだわりは乾燥方法。高温乾燥は乾燥時間が早く終わるため、工期短縮に繋がりますが大切な油分と水分が抜けてしまい、脆くて我々のような手刻み工法には向かない材料になります。乾燥時間は掛かりますが、いい仕事をするためにあえて低温乾燥した材を使っています。また、低温の材はスギ・ヒノキ問わずいい香りがします。施工後も木の香りが残りますね」。
広いウッドデッキの下にはセメントを打設した土間がつくられています。こちらはどのような効果があるのでしょうか?
「床下の地面に草が生えないようにセメントで土間をつくりました。高知は田舎なので土の地面の所が多く、デッキをつくる時は必ず土間をつくるようにしています。デッキ施工の作業効率がいいですからね。山田様が掃除する際も楽だと思います」。
家族でゆっくりと外で食事が楽しめるBBQスペース
こちらのウッドデッキには、一部窪んだ掘り炬燵のようなスペースが設けられています(このステップ部分は助成対象外)。
「こちらはBBQや焚き火ができるスペースになっています。階段状にすることで背もたれ付きのベンチシートとして利用できるので、別途椅子を用意しなくても食事やBBQを楽しむことができます。
また、デッキより低いスペースのため、周りが木の壁になっていて多少の風が吹いても火が消え難い設計になっています。季節によりますが、夜も快適に過ごすことができると思います」。
BBQや焚き火など長い時間使用することを想定して制作されたBBQスペースのベンチシート。こちらの施工で配慮した点はどこでしょうか?
「木でつくったベンチシートの角度はこだわりましたね。長時間いても居心地がいいスペースにしたいと思って、30°に設計しました。広さも家族でゆっくりできるサイズにしました」。
背もたれの角度が絶妙なベンチシート
広々としたウッドデッキをステージに音楽ライブを開催したい!
リビングから望むウッドデッキ
山田様が以前より構想していた本物の木でつくるウッドデッキが完成しました。その時の感想を山田様は、「やはり想像以上に素晴らしいですね。地元の木というのもいいですね。自然素材特有の温かみがあって最高ですね」。
今後のメンテナンスについて村上氏は、「経年変化を楽しみながら割れや腐食が発見されましたら板材の交換をお願いします。束などの構造材に劣化が見られた時は遠慮なくご連絡頂ければリフォームいたします」。
山田様は今後の庭の構想について、「これだけ広いウッドデッキはいいですね。知り合いのアーティストを呼んでジャズライブを開きたいですね。これから経年変化が楽しめるのも自然素材の素敵な所だと思っています。今後も木材を使って薪小屋を建てたいと思っていますし、まだまだアイデアがありますので、少しづつ形にしたいですね」。
能舞台のような広いウッドデッキ