使用木材の断面を住宅用間柱で用いる 120mmx45mmに統一し、使用長さに加工後、加圧式保存処理(AQ 1種)をすることで、未処理部が露出することを避け、防腐処理の性能が適切に発揮されるよう工夫しています。
デッキ部は布基礎@1,000mmにより立ち上がりを設け、基礎パッキンの上に土台を敷き、デッキ材を留め付けることで雨水が適切に排出されるとともに、通風により乾燥状態が保たれる工法としています。また一部に開口可能な点検口を設け、街路灯の配線などのメンテンスに配慮しています。
今治市が取り組む「みなと再生事業」の中で、港湾緑地を一体的なウッドデッキ空間としてリニューアルすることで、市民や来訪者の憩いや賑わいを生み出す新たな空間の創出に取り組みました。リニューアルにあたっては、既存の2本のニレの木をシンボルツリーとして活かすとともに、ベンチやテーブルなどの「すごす」ための場所を作っています。また、今治港はとびしま海道、ゆめしま海道の船便の起終点であり、増加するサイクリストのためのサイクルスタンドを併設するとともに、デッキレベルをGL+720mmとすることで自然に海に目線が向き、海とつながった開放的な空間となっています。
材料は全て愛媛県産スギ材であり、断面を住宅用間柱部材120mmx45mmに統一することで、入手の容易性、防腐処理の品質安定等を図るとともに、通常のデッキ材より厚い材を使用することで屋外での使用に配慮しています。