使用木材は全て加圧式保存処理(JIS K4、AQ 1種)を施し、木材保護塗料塗り仕上げとしています。
部材の接合部である仕口等は相カギの場合は縦勝ちとするなど、腐朽の原因となる水分が滞留しにくい形状としています。また、ボルト接合部に関しては点検の容易性からできるだけ目視できるよう配慮するとともに、利用者である園児たちの怪我につながらないようにするため座彫り施工としています。加えて、日常点検は幼稚園の先生方が実施するため、点検のポイント等をまとめたDVDを制作し、不具合等の早期発見が可能な維持保全体制としています。
木製遊具は四季を通じて様々な風合いや存在感を醸し出しており、周囲の木々と一体となって園庭の環境を形成しています。また夏の炎天下でも表面温度が低く保たれるため、子どもたちが触れる遊具として年間を通じた安定的な活用が可能です。
木製遊具は4つの部位に分かれており、身体の多様な動きを通じて、園児達の身体発達に寄与する仕様としています。安全基準は遊具設計を行う民間企業による厳しい規定を採用し、安全領域や各所規定寸法など細かくチェックを行っています。また、園児が木に触れることを目的としているため、部材は十分に面を取った材料や、丸材を用いるなど使用者に優しい意匠としています。
木製遊具の整備においては、制作過程に園児たちが参加できるプログラムを用意し、遊具に対する愛着を生むとともに、今後は保護者へのセミナー、県内外の幼児教育関係者の見学などを通じ、幅広い木材利用につなげることを予定しています。