スゴいぞ!ニッポンの木のチカラ2022 ▽木材の常識を覆す「進化する木材技術」
木材の常識を覆す進化する木材技術
知られざる木の可能性に迫る「スゴいぞ!ニッポンの木のチカラ2022」が12月17日、BSテレ東で放送されました。日本では今、木のチカラで私たちの暮らしが大きく変わろうとしています。地域の木を使ったぬくもりあふれる暮らしの実現や、循環型資源としてのSDGsへの貢献。今や高層ビルも木で造られる時代となりました。番組では木の常識を覆す取り組みをしている企業を徹底取材しました。
横浜に誕生!
木でつくられた高層ビル
横浜みなとみらいのビル群の一角にある、一際目を引く美しい木目の建物。これは、木で作られた11階建ての高層ビルです。日本の建築業界をリードする大手ゼネコンの大林組が、研修用の施設として竣工しました。コンクリートから木材へ。脱炭素化のために避けられない、ウッドチェンジという建築業界の新たな流れを加速させる存在として期待されています。
木造の高層ビルを実現させるために大林組は、3時間火に耐えられる木材「オメガウッド」や、大地震が起きても強度を保てる柱と梁の十字形ユニットなど、独自の先端技術を開発しました。建設時に排出するCO2の量は、鉄骨造と比べ1700t削減。さらに、気を使うことで現場の作業も大幅に簡素化し、粉塵や騒音も削減しています。
木造の高層ビルを実現させるために大林組は、3時間火に耐えられる木材「オメガウッド」や、大地震が起きても強度を保てる柱と梁の十字形ユニットなど、独自の先端技術を開発しました。建設時に排出するCO2の量は、鉄骨造と比べ1700t削減。さらに、気を使うことで現場の作業も大幅に簡素化し、粉塵や騒音も削減しています。
こだわりの国産素材!
協和木材の集成材製造技術
豊富にある日本の森林資源を生かし、国産材で製材品を作り続けている協和木材。国内の木材需要は国内の木だけでまかなえるという思いを創業当初から貫いてきたといいます。協和木材が力を入れているのは集成材(JAS製品)の製造です。集成材とは複数の木材を張り合わせて作る素材であり、通常の木材と比べて曲がりや反り、割れがほとんど発生しない特長があります。強度や品質が安定しているため、今や一般的な木造住宅の建築にはなくてはならない存在です。
協和木材では使用する木材の含水率や、強度などJAS規格(日本農林規格)に基づく品質管理を徹底しており、これをクリアしたものだけが国産の集成材として世に送り出されます。佐川社長は「建材として優れた部分のみを張り合わせて造った国産の集成材を、ぜひ住宅に使っていただきたい」と語りました。
協和木材では使用する木材の含水率や、強度などJAS規格(日本農林規格)に基づく品質管理を徹底しており、これをクリアしたものだけが国産の集成材として世に送り出されます。佐川社長は「建材として優れた部分のみを張り合わせて造った国産の集成材を、ぜひ住宅に使っていただきたい」と語りました。
サステナブル社会実現のために!
挑戦し続けるトーセン
製材業のイメージを大きく変える存在がトーセンです。トーセンには製材工場では数少ない大きな木質バイオマス発電所があり、1時間あたり2,000キロワットもの電力を生み出しています。燃料として使われるのは、製材として利用できない木を加工したチップです。循環型社会への意識が急速に高まるなか、廃材とクリーン電力を結びつけるこの試みは、SDGs達成に向けた最先端事業として注目されています。
トーセンはほかにも、キャンプ場利用者に向けた薪の自動販売機設置、木のチップを熱源としたウナギの養殖など、さまざまな挑戦を通して木をエネルギーとして活用するための研究を行っています。東泉社長は「木のすべてを使い切り、木のすべてを出し切れるような、そんな仕事をやっていきたい」と語りました。今も東泉社長の頭には、続々と新しいアイデアが浮かんでいるといいます。
トーセンはほかにも、キャンプ場利用者に向けた薪の自動販売機設置、木のチップを熱源としたウナギの養殖など、さまざまな挑戦を通して木をエネルギーとして活用するための研究を行っています。東泉社長は「木のすべてを使い切り、木のすべてを出し切れるような、そんな仕事をやっていきたい」と語りました。今も東泉社長の頭には、続々と新しいアイデアが浮かんでいるといいます。
地元の木材で造られた名所
OYAKI FARM
北アルプスを望む、長野県長野市。今年7月にオープンした新たな観光名所、OYAKI FARMを取材しました。OYAKI FARMは落ち着いたカフェのような雰囲気を持つ木造建築で、休日になると行列が絶えない人気ぶりです。この施設は長野県の郷土料理「おやき」の魅力を発信するための拠点として建てられ、年間500万個のおやきを製造する工場が併設されています。
建物に使用されている木材はすべて長野県産であり、地域の魅力が凝縮されています。外壁として使われている高さ10メートルの杉の木材は、木が林立する様子をイメージし、大地と建物の一体感を表現しています。また、内部の大空間を支えている筋交いは伝統技法によって組まれ、木の枝が連なる様子をイメージしています。
オープン後はスタッフも驚くほどの反響があり、僅か2ヵ月で8万人が来店し、瞬く間に長野の新たな観光名所になりました。
長野県根羽村(ねばむら)は古くから林業が盛んであり、ほとんどの世帯が山林を所有しています。根羽村の森林組合に勤める今村さんは、木で作った独楽などの知育玩具を通して、子どもたちに木を身近に感じてもらうための活動をしています。番組では、今村さん自慢のおもちゃで遊ぶ子どもたちの姿を紹介しました。
建物に使用されている木材はすべて長野県産であり、地域の魅力が凝縮されています。外壁として使われている高さ10メートルの杉の木材は、木が林立する様子をイメージし、大地と建物の一体感を表現しています。また、内部の大空間を支えている筋交いは伝統技法によって組まれ、木の枝が連なる様子をイメージしています。
オープン後はスタッフも驚くほどの反響があり、僅か2ヵ月で8万人が来店し、瞬く間に長野の新たな観光名所になりました。
長野県根羽村(ねばむら)は古くから林業が盛んであり、ほとんどの世帯が山林を所有しています。根羽村の森林組合に勤める今村さんは、木で作った独楽などの知育玩具を通して、子どもたちに木を身近に感じてもらうための活動をしています。番組では、今村さん自慢のおもちゃで遊ぶ子どもたちの姿を紹介しました。
日常風景に木があふれる街に!
小田原木塀プロジェクト
神奈川県小田原市では、地元で育てられた木を加工し、木塀として日常の風景に取り入れる小田原木塀プロジェクトが推進されています。プロジェクトで設置された木塀は1年で14ヵ所にのぼり、総延長400メートルもの木塀が街並みに加えられました。木塀は景観に温もりを与えるとともに、防腐処理した木材を使う等の工夫をすることで長年にわたって使用できます。
木塀の強度を高める実験や、経年変化を抑える実験を行っている高木さんは「木塀は素材が木なので加工がしやすく、オリジナリティを出しやすい」と語りました。高木さんと連携し、積極的に小田原の木を使った家造りをしている鴛海(おしうみ)さんは「木の塀を作ると家が豪華に見えて施主に喜んでもらえる」とうれしい反響を語りました。
今後も小田原市には木の街並みが広がっていくと期待されます。
木塀の強度を高める実験や、経年変化を抑える実験を行っている高木さんは「木塀は素材が木なので加工がしやすく、オリジナリティを出しやすい」と語りました。高木さんと連携し、積極的に小田原の木を使った家造りをしている鴛海(おしうみ)さんは「木の塀を作ると家が豪華に見えて施主に喜んでもらえる」とうれしい反響を語りました。
今後も小田原市には木の街並みが広がっていくと期待されます。
スゴいぞ!ニッポンの木のチカラ 2022(全編)
木材の常識を覆す「進化する木材技術」を全編まとめてご覧いただけます。
- 横浜に誕生! 木でつくられた高層ビル
- こだわりの国産素材!協和木材の集成材製造技術
- サステナブル社会実現のために!挑戦し続けるトーセン
- 地元の木材で造られた名所 OYAKI FARM
- 日常風景に木があふれる街に!小田原木塀プロジェクト