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スゴいぞ!ニッポンの木のチカラ2020 ▽木造高層ビルついに完成へ

スゴいぞ!ニッポンの木のチカラ2020

暮らしを変える進化した木材のチカラ

木で造った高層ビルや、林業で働く多くの若者たち。いま、ニッポンの木材を巡って、さまざまな変化が起きています。
そんな進化した木材のチカラの魅力を紐解く「スゴいぞ!ニッポンの木のチカラ 2020 」が10月10日、BSテレ東で放送されました。
番組では、木材に関する最新技術や知られざる木の可能性に迫りました。
 

街にあふれる「木」の魅力

外装の木材が特徴的な原宿エリアにあるテナントビル「アレーデ神宮前」は、建物を支える柱や梁には鉄骨を使用し、その枠にコンクリートに匹敵する強度を持つCLTという木材をはめ込んだ、まさに鉄骨と木造のいいとこ取りの建物です。
一方、今年3月にオープンしたスターバックス新宿御苑店の一番のこだわりは、木を使った店舗デザイン。格子の要素を取り入れた細い木が施されているカウンターや、東京多摩産の木を使った大きなテーブルが目を引く店内は、美しい自然を眺めながらくつろげる造りになっています。

木で造る最先端高層ビル

宮城県、仙台駅前で建設中のビルは、1階から7階までのすべてを木だけで造った日本初の木造高層ビルです。
木造の大型建築では鉄骨造やRCとの組み合わせが一般的ですが、このビルの設計・施工を行うシェルター独自の接合技術は、純木造でも高い強度を可能にします。その要となるのが、木材に取り付ける金物です。これにより現場では簡単な作業のみで、計算通りの強度を生み出すことができるのです。
また、その技術を使った木造高層ビルの工期は、鉄筋コンクリートの半分程度と人件費の削減にもつながります。同社会長の木村一義さんは「今後も木のビルを街に増やすことで、みんなを笑顔にするのが夢」と語っています。

移動式木造住宅を災害時に活用

今年4月、茨城県の南部に位置する境町に、木を使った日本初の移動式ホテルがオープンしました。このホテルは移動式木造住宅を連結することで一つのホテルにしています。
移動式にした理由について「災害が起きたら被災地に送り、仮設住宅として使う。社会的備蓄という新しい考え方」と、このホテルの運営を担う長坂俊成さんは解説します。
移動式木造住宅の仮設住宅は、即座に被災者へ住宅の提供を行うことができ、コストは従来の仮設住宅の半分ほど。さらに木造ならではの快適な住み心地など、多くのメリットが存在するのです。長坂さんは、移動式木造住宅の全国的な普及を目指しています。

進化する日本の木材関連技術

茨城県の北部にある美和木材協同組合は、機械化することで林業を大きく進化させました。ここで働く従業員は20~30代の若者が多く、林業の仕事を「ゲームみたいでやっていて楽しい」と言います。
全国の山林では林業従事者の高齢化や人手不足が叫ばれる中、同組合はここ5年で生産量が倍増。この道50年の川西正則さんは「冷暖房付きで、きつい・汚い・危険の3Kからも解放された」と機械化による労働環境の変化について述べました。
一方、愛媛県西条市のサイプレス・スナダヤは、最先端技術を誇るオートメーションの製材工場を所有しています。丸太の大きさや形を瞬時にスキャンして、コンピューターが一番効率の良いカットの仕方を判断してくれる技術などを活用することで、1日約5,000本の丸太の製材が可能に。
また、CLTを高い質で安定的に量産する高度な技術は、日本の木材建築の進化を加速させています。ここまでの技術導入を決めた同社専務の砂田雄太郎さんには「国産材の利用を広げたい」という強い思いがありました。

働き方や教育環境を変える木のチカラ

木に包まれた環境は、その温かい雰囲気によって新しいアイディアが生まれたり、気持ちが明るくなったり、と仕事や教育に良い影響を与えます。
また、もっと身近なものを木に変えるだけでも、見える世界は変わるのです。

木の塀から始まる新しい暮らし

街中でも木を使う人達が増えています。老朽化したブロック塀を天然スギの塀にリニューアル。雨風に強いヒノキのウッドデッキ。コストも抑えられ、コロナの三密を避けられる空間、明るく癒しの空間になりました。木を使った新しい生活が広がり始めています。

スゴいぞ!ニッポンの木のチカラ 2020(全編)

ストローからカフェ、最新ホテル、高層ビルまで。ウィズコロナの暮らしのなかで活かされる、木材の魅力満載。 全編まとめてご覧いただけます。